みらいわブログ 2017年9月号

■【今、大注目の「家族信託」】という方法があります。

みなさま、こんにちは。加来不動産(株)の井料(いりょう)です。
まだまだ暑い日が続きますね。
お盆に家族・親族が集まり、相続にまつわるお話しをされた方も多くいらっしゃっるのではないでしょうか。

今回は、そうした相続に関するご相談と解決方法を紹介します。

Q:私たち夫婦には子供がいません。先祖代々の土地を私の家系で受け継いでいきたいです。
A:今、大注目の「家族信託」という方法があります。

<ご相談内容>
●相談者:Aさん(77歳・男性)東京都在住

家族構成は、わたし(Aさん)と妻B(75歳)です。
わたしたち夫婦には子供がいません。
現在、先祖から受け継いだ土地に自宅を建てて暮らしています。
私が亡くなったらその土地と自宅は妻に相続してもらうつもりで遺言書を作っています。
しかしその後、妻が亡くなると、妻の兄や姉にその土地と自宅が行くことになります。
先祖から代々引き継いできた土地ですので、妻の親族に行くことは本意ではありません。
こういった場合、なにかよい方法はありませんか?

<今までの解決案>
子供がいないご夫婦の場合、「私が亡くなったら妻(夫)へ」という遺言をお互い作っているケースをよく目にします。
しかし、この方法には一つ重大な問題があります。

今回のご相談で言えばAさんが先に亡くなり土地と自宅が妻Bさんに相続された後、
妻Bさんが亡くなったらどうなるでしょう。

妻Bさんが亡くなったときは、すでに夫Aさんはいません。そうすると「夫Aに渡す」という妻Bさんの遺言書は無効になり、結果、妻の兄や姉にAさん先祖代々の土地と自宅が行くことになります。

もちろん、妻Bさんが「夫の親族に渡す」という遺言書を作っておくこともできます。
しかし遺言書は、いつでも書き換えが可能なのです。
つまり、遺言書では夫が妻より長生きしない限り、夫の財産が妻の兄や姉に渡ることを完全に防ぐことができないのです。

<家族信託という解決策>

こういった場合に有効な手段として、最近注目されているのが「家族信託」です。
(誤解されている方もいらっしゃるかもしれませんが「投資信託」や「信託銀行」とはちがうものです。)

委託者:財産を持っている人
受託者:財産を託される人(財産を管理していく人)
受益者:財産から出る利益をもらえる人

簡単にいうと家族信託は、上記3人が登場する契約のことです。
この「家族信託」という契約をすることにより、今までの遺言では不可能だったことが可能になります。

今回のご相談でいきますと、夫Aさんが亡くなった場合、土地と自宅は妻Bさんのものになります。
その後、妻Bさんが亡くなった場合、夫Aさんの兄の息子(Aさんからすると甥っ子)に受け継いでもらいます。(甥っ子さんに、というのはあくまで例ですので、他の親族に受け継いでもらうことも可能です。)

こういったことが家族信託契約で可能になりました。(仮に遺言書でこのように書いておいたとしても無効です。)
これで先祖代々の土地がAさん家系に受け継がれることになります。

相続のことをご存知の方からすると「そんな財産の受け継ぎ方がホントにできるの?」と思われるかもしれません。
そうなのです。できるようになったのです。
平成19年9月に「信託法」という法律が改正され、可能になりました。

今回、ムズカシイ法律論は書いておりません。
今後も「家族信託」を使った問題の解決事例をご紹介していきます。
「家族信託」にご興味を持たれた方は、わたしたち「一般社団法人みらいわ」に「家族信託のコト教えて!」とお気軽にお声かけください。
きっと、あなたのお悩みや問題を解決できると思っています。

加来不動産株式会社
家族信託コーディネーター 井料 隆彦

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