みらいわブログ 2017年10月号

「法定相続情報証明制度」ってご存じですか?

 平成29年5月29日から、全国の法務局において、各種相続手続きに利用することができる「法定相続情報証明制度」が始まりました。
 これまでは、法務局や金融機関等で相続手続きを行う場合には、お亡くなりになった方の出生から最終戸籍までを含む「戸籍(除籍)謄本等の束」を提出していたのですが、その「戸籍(除籍)謄本等の束」に代わる証明書として、法務局から「法定相続情報一覧図の写し」を交付してもらって、その写しを各種相続手続きに利用できるようになりました。

 今回は、この「法定相続情報証明制度」のメリットと注意点をご説明します。

 第一のメリットは、前述の「法定相続情報一覧図の写し」を一度作ってしまえば、5年間は無料で何度でも法務局で再発行してもらえるという点です。
 今までは、相続手続きがまだ完了していないうちに、前述の「戸籍(除籍)謄本等の束」の全部(一部)を紛失してしまったら、再度全ての戸籍等が揃うように手間と費用をかけて収集しなければいけませんでした。

 第二のメリットとしては、これまでの「戸籍(除籍)謄本等の束」の代わりが、A4用紙1枚の「法定相続情報一覧図の写し」となりますので、管理や持ち運びがとても楽になりました。(※なお、数次相続が発生しているケースでは、この写しは被相続人ごとに作成されるため、2枚以上になることがあります。)

 第三のメリットは、相続手続きを行う金融機関等が複数ある場合、「法定相続情報一覧図の写し」は同じものを必要な数だけ交付してもらえるので、それぞれの金融機関等で同時並行的に手続きを進めることができる点です。相続手続きを行う金融機関等がたくさんある方にとっては、この点が最大のメリットかもしれません。
 今までは、金融機関等に「戸籍(除籍)謄本等の束」を提出する際、一旦預けて後日返却となるケースもあり、ひとつの金融機関等が終わってようやく次の金融機関等に提出するといった形でひとつずつ進めるしかありませんでしたので、全ての相続手続きが終わるまでに数か月かかるといったこともありました。

 最後に注意点をひとつ。上記のようにメリットも大きい「法定相続情報証明制度」ですが、現時点では相続税の申告時の添付資料としては利用できません。相続税の申告時には従来通りの戸籍(除籍)謄本等一式を提出する必要がありますので、ご注意ください。

 この「法定相続情報証明制度」についてより詳しくお聞きになりたい場合は、我々みらいわにぜひお気軽にご相談ください。

たかき司法書士事務所
 司法書士 高木 誠

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