みらいわブログ 2019年9月号

日本伝統の灌漑工法に学びアフガンの農地をよみがえらせた中村哲さんが

筑後川の山田堰をアフガンの人たちを連れて視察に来られた。

それに少しの間だけ参加させてもらった。

中村氏は冒頓とした感じの人で、多くを話されなかったが、書かれた文書を

読みとても感銘を受けた。

大地と向き合い、水と向き合うとは、生き方につながり、

倫理観を生み出すのだと思った。

倫理観とはもともと自然の中で生きることから生まれるものだと

気づかされた。

アフガンの人たちは山田堰をみて、水制上の仕組みをどれだけ

把握されたかはわからない。

昔の脱穀機や唐箕がどれほど活用されるかもわからない。

むしろ、今の日本人と同じく過去のものとして感じるのかもしれない。

だが、日本や世界の河川を相手に向き合ってきた私の主人と中村哲氏が

二人で並んで話しているのを見て、少しずつ時代が変化しているのを

感じられたことに感謝している。

今、洪水や大雨が話題にされているが、太古からわれわれ日本人も含め

人々は、水と大地と向き合ってきた。

山田堰もその中で生まれてかつ現役の堰だ。築造100年といわれているが、

この原理は太古から応用され、いろんな川で形を変えて利用されている。

コンクリートで固めた堤防を築くことがすべてだと思うのは、

自然に対しておこがましいと思う。

いま一度、水と大地に向き合うべきだと思った一日だった。

松木公認会計士税理士事務所
公認会計士・税理士 松木 摩耶子