2020年2月になりました!
こんにちは、今回のブログ担当はわたくし税理士の兼田円です。
消費税税率が改正されはや4ヶ月が過ぎましたが、なかなか会計処理になれない方もいらっしゃる様子。それもそのはず、レシートの記載方法が数パターンあるからです。加えて税込経理の場合と、税抜経理の場合で、レシートに記載された金額を足し算するのか引き算するのか異なりますし、そもそも古いレジでいまだに改正対応していないレシートもあるようです。単純にデータ処理の手数が増え、年末年始の繁忙期も加え会計処理が遅れがちなクライアント様も…。
税務申告の期限は待った無しなので、私もお手伝いしつつ、なんとか対応していただくしかありません。
改正といえば、この2020年度から所得税の控除について大きな改正が適用されます。
簡潔にポイントを上げますと、
①基礎控除38万円が48万円へ引き上げ(所得制限あり)
②給与所得控除が10万円引き下げられ、逆に上限が220万円から195万へ引き下げ(諸条件あり)
うーんこれだけではよくわかりませんね。
実際に影響を受けそうな方を3パターンほどご紹介します。
(1)給与所得者で年収が850万円以下の方
①の減税と②の増税の両方が関係するため、実質的にほぼ影響なし
(2)給与所得者で年収が850万円超の方
給与所得控除の上限が引き下げられたため、実質増税で手取り額が減ります
(3)個人事業主(フリーランス含む)
①のみ影響を受けるため、基本的には減税となります。ただし青色申告控除65万円の要件が厳しくなるので変化なしとなる方も。
・・・上記の他にも様々な影響が予想されます。このように、所得税の計算構造が複雑になるのです。質問を受けてもなかなか一言で説明し辛く、「税負担が増えるか減るかは、それぞれの方のケースによります」としかお答えできません。
原則的には、高所得者により多い税負担を求める改正であり、応能負担という観点からは効果の高いものになります。が、私は、個人的に『税は簡素でなければならない』と思っています。国民の生活に大きく関わるものであり誰もがその内容をよく理解した上で納税するべきだと思うからです。しかし公平性を追求すれば、税はどうしても複雑になります。ジレンマです。
毎年改正される租税特別措置法や政策実現のために次々と創設される税制にはとても頭を悩まされますが、実務家としてしっかり検討・対応していかなければと思います。
税理士 兼田円