みらいわブログ 2024年3月号

『音信不通だった父親の相続権を放棄する』

みらいわの無料相談に、次のようなご相談がありました。

「近隣の市から固定資産税の納税を促す通知書が突然送られてきました。そんなところに固定資産を所有していたことがないので、不思議に思い開けてみると、ずっと音信不通だった父親名義の土地建物があり、父親が亡くなったので、相続人である私に納税を行うよう通知書を送ったとのことです。私としては、今さら遠方の土地などをもらっても管理ができないので、今のところは相続放棄したいと考えています。とは言え、財産を相続すればどれくらいの価値があるのかなどと迷っています。」というお話でした。

ご相談者にしてみれば、突然に納税通知書が届き、父親の死亡、土地建物の相続など、続けざまに発生した課題に困惑して、みらいわにご相談があったのだと思います。

このご相談にはどのような課題があるのでしょうか?

(1)音信不通であった親族の財産を相続する際に気をつけること

(2)相続放棄の手続きはできるのか

(3)相続税はかからないのか

(4)固定資産税の納税はどうなるのか

といったことでしょうか?

では、順にご説明していきます。

(1)音信不通であった親族の財産を相続する際に気をつけること

このような場合に、一番困るのは現在の親族の状況がつかみにくいということです。相続は預金や土地建物などの積極財産だけでなく、借入金などの負債もマイナス財産として相続することになるので、隠れている債務などがあるかどうかを慎重に調べる必要があります。

(2)相続放棄の手続きは、被相続人の住所地を管轄する家庭裁判所で行います。注意しないといけないのは、相続放棄は「相続の開始があったことを知った日から3か月以内」に手続きをしないと、放棄ができなくなるということです。今回のご相談者は、父親が亡くなったことを、固定資産税の納税通知書が届いて初めて知り、その足でご相談があったので、十分間に合う状況でした。

(3)相続税はかからないのか

お話の中で、「相続税はかからないのですか?」とご質問がありました。相続税は必ず納税しないといけないというものではありません。財産の額から、基礎控除として3千万円プラス法定相続人の人数一人当たり600万円を控除することができます。それよりも財産の額が大きかったら、初めて相続税の申告が必要になる可能性があります。今回のお話では、そこまでの財産は無いようでしたので、ひとまず相続税の心配はないとお伝えしました。

(4)固定資産税の納税はどうなるのか

これに関しても、相続放棄の手続きを済ませてしまえば、納税する必要はありません。相続放棄は相続に関する全ての権利と義務を放棄することを意味するので、債務に関してもその支払をする義務がなくなります。

今回のご相談は、納税通知書が届いてからすぐにご相談があったので、父親の相続に関してどのように対処すべきかをお話しすることができました。相続放棄の手続きに関しても、みらいわの司法書士に確認して、詳しくご説明しました。お帰りの際には、暗かった顔が随分と明るくなっていました。

みらいわには、このようなご相談がたくさん寄せられます。私たちは、このような困りごとを解決して、ご相談者の方の負担をできるだけ軽くすることをめざしています。みなさんも、ぜひお気軽にみらいわの無料相談会をご利用ください。

税理士 半田正樹

みらいわブログ 2024年2月号

大仰に北九州市政を論じるわけではないが、今、住んでいる我が市が少し明るい方向に変わろうとしている。新市長武内氏になり一年が過ぎようとしている。何か期待感がある。少し前まで北九州市が財政破綻寸前までいっていたと信じられるだろうか。前市長を批判するわけではないが北九州市が末吉市長時代に比べやはり低迷していたのは否めない。今武内市長は大きく舵を切り内海から外海に出航しようとしている。 先日『未来トークin北九州』に行き市長からのプレゼンテーションと深堀りパネルトークを聞いてきた。その一端を紹介してみたい。 目指す都市像『つながりと情熱と技術で「一歩先の価値観」を実現するグローバル挑戦都市・北九州市』「一歩先の価値観」とは少子高齢化・人口減少をはじめとする様々な社会課題の克服に挑戦していく過程においては、私たちが未来に向けて歩みを進めるための拠り所となる一歩先の価値観が重要となる。①能力開花②利他の精神③持続可能 3つの重点戦略と成長と幸福の好循環。目指す都市像の実現に向け、稼げるまちの実現に最優先に取り組み、経済を成長させ、三つの重点戦略による成長と幸福の好循環を創り出していく。

1.「稼げるまち」の実現

①稼げる基盤をつくる 陸・海・空のネットワークの構築

②稼げる人を育む・スタートアップの創出・成長、若者のチャレンジへの支援、に関わらないキャリア形成の支援

③稼げる産業をつくる・バックアップ首都構想の推進、成長の芽となる未来産業振興、北九州グリーンインパクトの推進

2.「彩のあるまち」の実現

①彩りある空間をつくる・都市の魅力を高めるまちなみづくり、選ばれる住まい環境づくり、人や企業を呼び込む都市の魅力の発信

②彩のある時をつくる・文化芸術やスポーツの振興、エンターテイメントによる賑わいづくり、観光資源の磨き上げや発信の推進

3.「安らぐまち」の実現

①生活基盤の安心を支える・災害などに強いまちづくりの推進、犯罪の無いまちづくりの推進、社会環境やニーズに即した都市基盤・施設の維持

②暮らしの安心を支える・多様性を認め合う文化のまちづくり、誰もが安心して暮らせる環境づくり、地域におけるコミュニティ活動などの活性化

③子供・子育ての安心を支える・安心して生み育てることのできる環境の整備、こどもの健やかな成長への支援等々である。

「市政変革への思い」なぜ変革が必要か?「北九州市が生き残るために必要だから」これまでの人口減少、企業の撤退、建物の老朽化、扶助費の増大、こうした縮小の流れを続けて行けば都市は生き残ることが出来ない。この流れを変え、反転攻勢。「稼げる街」への転換。北九州市をもっと人と企業が集まる街に。他の自治体との差別化、競争に勝つ。そうして生まれた果実を医療や福祉や文化や教育に回し、人々に彩りと安心を。「稼げる街」を起点として、「彩のある街」「安らぎの街」につないでいく。そして生活の楽しさや安心が新たな経済活動に繋がっていくこと。これらの循環づくりを目指す。同じ資源でも使い方や活かし方によってもっと多くの人や企業に魅力を伝えることが出来る、人や企業やお金が集まる街づくりに繋げる。市政改革は「削る改革ではなく、創る改革である」と。市政改革はこの街を子や孫たちに堂々と引き継いでいくためにある。と高らかに謳っています。大いに期待したい。

(一社)みらいわ 相談役 久保謙二

 

みらいわブログ 2024年1月号

私の今年の目標~今年はこれまでとは少し違ったことをやってみる

新年明けましておめでとうございます。

今年も「みらいわ」をよろしくお願い申し上げます。

1 さて、皆さまは新年の目標はもう立てられましたか?

私は2つ立てました。

まず1つ目は、最近運動不足でお腹が出てきてズボンが窮屈になってきましたので、今年こそはスポーツジムに通って体型的に若返りを実現し、少し格好良くなろうと思っております。それに人生100年時代の今、健康寿命こそが一番大切なので、今年を私の「健康寿命元年」にしたいと意気込んでおります。

2 それともう1つは、これまでやってこなかった自分なりの社会貢献として、セルフネグレクトの方への支援に取り組もうと考えております。

皆様は「セルフネグレクト」という言葉をお聞きになったことはございますか?

「ネグレクト」とは「放置・放任」のことです。

3 セルフネグレクトとは、人が人として生活において当然行うべき行為を行わない、あるいは行う能力がないことから、自己の心身の安全や健康が脅かされている状態に陥ることをいいます。ゴミ屋敷問題などもこれに含まれます。

原因としては、認知症や精神疾患などにより認知・判断能力が低下したこと、病気、世間体や気兼ね、他者の世話になりたくないというプライド、性格上の問題、引きこもり、地域社会からの孤立、身近な人の死などの人生に起きるショックな出来事による生活意欲の低下など様々です。

実はこのようなことは誰にでも起こりえ、他人事では決してないのです。最近では若者や4~50代の人にも増えており、一人暮らしの人だけでなく、例えば老老介護で疲弊してしまい、やがては家族ごと社会から孤立してしまうなど、家族と同居している場合でも起こっています。最近顕在化しているヤングケアラー(家族にケアを要する人がいる場合に、大人が担うようなケア責任を引き受け、家事や家族の世話、介護、感情面のサポートなどを行っている18歳未満の子どものことを言います)の問題もセルフネグレクトと無縁ではありません。

このため、対策に乗り出す自治体も出てきており、実証的な研究も徐々に進んいるようですが、セルフネグレクトは支援が遅れている、あるいはなかなか進まない分野と言っても過言ではありません。。

4 セルフネグレクトの問題点は、自分自身の健康や安全を脅かす、自己による人権侵害行為であるという点と、近隣を脅かす行為でもあるという点です。

そして最も悩ましいのが、本人が支援を拒否している場合も少なくなく、人権(自己決定権)を行使しているという点です。それゆえ、行政その他の支援者が手を出しにくく、支援をやりすぎるとセルフネグレクトの方の自己決定権を侵害するおそれさえあり、支援を躊躇する事例も少なくないようです。しかし、それは他方で、「支援者によるネグレクト」へと発展しかねません。

その方の自己決定権と生命・健康とではどちらが大切なのでしょうか?

セルフネグレクトは、ある意味、ご本人がご自分の意思決定の下で行われているので、支援者として、どのようにして、どこまで介入すべきかについては、とても難しい課題です。

ところが実は、ご自分の現状をしっかり理解して本当の意味での「自己決定」をしている方ばかりではないということも明らかになってきています。それは、誤った思い込みのために支援がなくても大丈夫と勘違いされている方、他方、そもそも何らかの原因で支援を求める力がなくなり、自己決定をできない方もいらっしゃることが分かってきたのです。それゆえ、問題はとても複雑です。

また、セルフネグレクトはご本人が支援を拒否されていることから、そもそも支援に繋がっていない事案も多く、手遅れとなって孤独死に至る場合もあります。  なので、セルフネグレクト問題は、世間ではこれまであまり知られて来なかったのですが、かなり深刻な無視できない社会の課題だと私は思うのです。

このため、どのようにすれば支援を拒否する方と繋がることができるのか、そのための心構えやスキルはどういうものか? これらも支援者はもちろん地域住民の方々にも重要な課題となってきます。

 

5 このような思いから、福祉や医療の現場で近年問題化しつつあるセルフネグレクトをテーマに、その現状、原因、類型、問題点、対応策、今後の課題等について、皆で議論を深めるべく、私が実行委員長になって下記のとおりシンポジウムを開催することといたしました。

このテーマは、法律問題ではなく、どちらかと言えば福祉や医療や地域の問題ですので、弁護士の私にとっては、セルフネグレクトの支援を行う専門職の方々を後方から支援する取り組みということになります。

そこで、私といたしましては、直接的には弁護士の業務とは言えないのですが、このシンポジウムを契機として、他の分野の専門職の方と研究や実践を重ねて、セルフネグレクトの方々への支援に取り組もうと考えた次第です。

6 この26年間、弁護士業務にほとんどの全ての時間を割いて人生を歩んできました。しかし、私も還暦を過ぎましたので、視点を少し変えて「わたしは何ができるだろう?」という気持ちで、少しだけですが社会に役立つかもしれないこと(またはその真似事?)をしてみたいと考えました。

限られた時間の中における人生ですので、プライベートも含め、今年からはこれまでとは少し違ったことをやってみたいものです。

それでは、皆様、今年も「みらいわ」をよろしくお願いいたします。

弁護士法人 翼・篠木法律事務所

代表弁護士 篠木 潔

 

九州弁護士会連合会 高齢者・障害者支援に関する拡大協議会

シンポジウム「セルフネグレクト~支援を拒否する人への支援を考える」

 

■開催日時:令和6年2月17日(土)13:00~17:00

■研修会場:会場・福岡県弁護士会館2階大ホール+Zoomウェビナー配信

(福岡市中央区六本松4丁目2番5号)

■定  員:会場150名+Zoom500名

■参加費用:無料

■対象者:医療・介護・福祉職、行政職、法律職、一般の方々

■申込の要否:必要

===============================

参加ご希望の方は、下記URLの申込フォームまたはチラシのQRコードよりお申込ください(締切:令和6年2月5日)

こちらから→

https://forms.gle/j8PMCgKFzTeLTDFS9

 

福岡県弁護士会のホームページからも申し込みができます。

こちらから→

https://www.fben.jp/whatsnew/

 

シンポジウムチラシもダウンロードできます。

こちらから→

https://www.fben.jp/whatsnew/pdf/fb20240227.pdf

 

以 上

みらいわブログ 2023年12月号

あなたはインターネットショッピングの商品はどうやって選びますか?

インターネットで商品を購入する人は増えていると思います。

食料品や生活用品、家電や衣服、何でも購入できるようになっていますが、実際に目で見る事も出来なければ手触りもわからず、大きさも書かれている寸法から「これくらいかな?」と想像する事しか出来ません。

実際に商品を購入してみると想像していたものと違う、なんていう事はよくある事ですよね。少しでもより満足する商品を購入するにはどうすればいいでしょうか。今回は私の商品の選び方の中でもパソコン周りに関する事を少しだけお話しします。

私がつい最近購入したものはパソコン本体、ディスプレイ2枚、ディスプレイ用のアーム、スピーカーです。今回はパソコン本体とスピーカーについて取り上げます。

パソコン本体は口コミサイトを一番に調べました。口コミサイトには当たり外れがありますが、当りのサイトでは今どのショップでセールを行っているなどのタイムリーな情報まで乗っています。数万円単位で安くなることもあるので節約するにはもってこいです。複数の口コミサイトを見比べる事によってより安い価格で購入できることがあるのでしっかり見比べました。

商品を決めた後にすぐ購入、はオススメできません。インターネットでパソコンを購入すると追加料金でカスタムはどうしますかという案内があります。ウイルス対策ソフトなどですね。このカスタムによって最終的な金額が決まります。安いと思っていたものが結果他の商品よりも高くなるという事もありますので合い見積もり必須です。

次にスピーカーですが、結論から言いますと私は良くない商品を買ってしまいました。なぜよくない商品を買ってしまったのか、その後どうしたのか、私の失敗をいかしてもらえたら失敗したかいがあったというものです。

話はパソコン本体の購入から続きます。追加料金のカスタムの中にパソコン関連機器も入っているのです。キーボードやマウス、スピーカーもです。

何となくわかってきましたよね。そうです、パソコンの選定に度重なる合い見積もり、疲れがたまっていき「一緒にこれも買っていいや」になってしまったのです。

届いたスピーカーの音質は酷いものでした。我慢できずに先日Amazonのブラックフライデーで購入しましたが、その時はAmazonの評価件数が多く、点数が高いものを数点絞り込み、商品名をYouTubeで検索すると実際に音を鳴らして商品レビューをしている動画が見つかりましたので参考にして選択しました。

先日届きましたが大満足です。

何を買うにしても「これでいいや」で買うのではなくて色々調べて比較してみて購入する事が多いと思いますが、インターネットショッピングではなかなか難しいですよね。

実物が目の前にないので実際に使っている人の意見を参考にするのが一番いいのかなと私は思います。ただ感性は人それぞれですので大多数の人が良いと思っている物も、あなたにとっては悪い物かもしれません。

人の意見に耳を貸しつつ自分に合ったものを探す。もしかすると少し難しいだけで普通のショッピングとやっていることは大差ないのかもしれませんね。

良いインターネットショッピングライフを。

(一社) みらいわ

事務局  吉川武臣

 

みらいわブログ 2023年11月号

「九州農業担い手サミット」

先日、『令和5年度 九州農業担い手サミットinふくおか』に参加してきました。

九州から「稼げる農業・持続可能な農業」の実現へというテーマで(一社)みらいわ代表理事も務める㈱農業経営支援センター代表取締役の半田正樹が基調講演及びパネルディスカッションのコーディネーターを務めました。

このサミットは九州5県の認定農業者協議会が経営・組織に関する課題について意見交換を行うともに、県組織同士並びに全国組織との繋がりを強化することを目的として開催されました。今回このような機会をいただき、貴重な体験をする事が出来ました。

サミットに参加するにあたり、代表の半田と共に農業経営者の方々にご挨拶させて頂きました。皆さま方とお話させていただく中で、各々の考え方で「農業経営」を捉えていました。地域との6次産業化、経営計画の重要性、お客様が求めているものは何なのか?などなど・・・・・

地産地消で地域の農業をどのように発展させなければならないのか、会社だけ儲けるのではなく、地域が儲かるためにはどうしなければならないのかを常に考えている経営者。

経営計画を作成することで会社の目的を見失うことなく、目標に向かって軌道修正や事業計画の見直しを行いながら着実に会社の目標に向かっている経営者。

「経営」というフィルターを通し、「農業」をどう発展させていくか、お客様が求めているものはどんなものか、また従業員が働きやすい職場環境作りに取り組んでいる経営者。

皆様方の思いを聞かせて頂くことが出来ました。

現在、資材・農薬・肥料などの価格高騰や急速に進んでいく担い手の減少、農業従事者の高齢化など多くの問題を抱えている日本の農業ではありますが、実際に今回お話をさせていただいた方々はまだ若い農業者の方々でした。

農業経営体は、30年後には約85%も減少すると言われています。そんな厳しい状況の中で生き残っていけるのは、確実に規模拡大し、それに伴って経営力も備わっている経営体だと思います。そのためこれからの日本の農業は、若い経営者が増えていき、収益性の高い農業経営が行える、また地域の活性化が最も重要であると感じました。

そして私たちの使命は、農業経営者と一緒に伴走しながら経営のサポートを行っていくことであると強く思いました。

私自身、日本の農業を変えていけるよう日々精進して参ります。

 

半田税理士事務所

税理士 山田広之

みらいわブログ 2023年10月号

いよいよスタート「インボイス制度」が10月1日から始まります!!

皆さま、こんにちは。(一社)みらいわ 事務局の安部です。             今日から10月です。ついに「インボイス制度」がスタートしました。       ニュースなどで耳にする事があると思いますがそもそも「インボイス制度」って?!と思われている方も多いと思うので、簡単にお話させて頂きます。

 

「インボイス制度」とは?

2023年10月1日から導入される消費税の仕入税額控除の適用を受けるための新たな方式です。正式名称は「適格請求書等保存方式」といいます。同日以後、仕入れ税額控除をするためには、より細かな記載事項や要件が設けられている「適格請求書(インボイス)」の保存が必要になります。インボイスを発行するためには、事前に登録申請をおこない「インボイス発行事業者」となる必要がありますが、登録申請は事業者の任意なので、インボイスを発行しない事業者となることもできます。

 

「インボイス制度」の目的は?

消費税は最終的に消費者が負担し、事業者が納税するしくみになっています。ところが2019年10月1日から8%と10%の複数税率を新たに採用したことで、経理処理が複雑化し正しい消費税納税事務が難しくなりました。そこで適用税率や税率ごとの消費税額を請求書に記載する事を義務付けたインボイスを発行したり受け取ったりすることで、取引ごとの正確な消費税額と消費税率を把握し、消費税納税額を正しく計算することができるようになります。また、税金の一部が国へ納められずに事業者の手元に残るいわゆる「益税」問題の解消が期待されます。

 

「免税事業者」への影響

これまで納税を免除されてきた基準期間(前々事業年度)課税売上高が1,000万円以下の免税事業者への影響は少なくありません。もしも免税事業者が登録申請をしてインボイス発行事業者となれば、今まで免除されていた消費税の納税義務が生まれ、新たな負担となります。だからといって免税事業者のままでいると、取引先が仕入税額控除の適用を受けることが出来なくなる為、それを理由に取引を断られたり、敬遠されたり、値下げの要求される事があるかもしれません。中小規模の事業者にとっては、切実な問題です。

 

インボイス制度は、消費税のしくみがそもそも複雑であることに加えて特例や経過措置も多く、どのような選択をすればその事業者にとって有利なのか判定が難しいところです。                                  そんな時は、ぜひお近くの税理士さんにご相談されるなどご検討下さい。

 

(一社)みらいわ 事務局 安部幸子

みらいわブログ 2023年9月号

「相続土地国庫帰属制度」

 

令和5年4月27日から『相続した土地を国が引き取る』という制度がスタートしました。

相続した土地について、「遠くに住んでいて利用する予定がない」、「周りの土地に迷惑がかかるから管理が必要だけど、負担が大きい」といった理由により、土地を手放したいというニーズが高まっています。

 

このような土地が管理できないまま放置されることで、将来、「所有者不明土地」が発生することを予防するため、相続又は遺贈によって土地の所有権を取得した人が、一定の要件を満たした場合に、土地を手放して国庫に帰属させることを可能とする「相続土地国庫帰属制度」がスタートしました。

 

私は不動産会社に勤務していますので「自分たちには必要がない不動産がある」「こういった不動産を手放す方法はありませんか?」とご相談をいただくことがあります。こういった場合に、この制度を検討するのもひとつだと思います。

 

ただし、不要という不動産すべてを国に帰属させる(国に引き取ってもらう)ことができるわけではありません。

 

下記のような不動産は申請の対象外とされています。

 

■ 建物がある土地

■ 担保権や使用収益権が設定されている土地

■ 他人の利用が予定されている土地

■ 土壌汚染されている土地

■ 境界が明らかでない土地・所有権の存否や範囲について争いがある土地

 

また、申請が受理されても、審査の結果、承認を受けることができないケースもあります。

 

■ 一定の勾配・高さの崖があって、管理に過分な費用・労力がかかる土地

■ 土地の管理・処分を阻害する有体物が地上にある土地

■ 土地の管理・処分のために、除去しなければいけない有体物が地下にある土地

■ 隣接する土地の所有者等との争訟によらなければ管理・処分ができない土地

■ その他、通常の管理・処分に当たって過分な費用・労力がかかる土地

 

このような土地は承認を受けられないとされています。

 

そして、費用についてですが、審査手数料が土地一筆当たり14,000円です。(申請時に必要)。

手数料の納付後は、申請を取り下げた場合や、審査の結果却下・不承認となった場合でも、手数料の返還はないようです。

また、実際に承認を受けた場合には、10年分の土地管理費用相当額の負担金の納入が必要になります。この金額については、土地の地目や面積に応じて算定されるようです。

 

この制度の申請は、法務局におこなうことになります。ご自身が国庫に帰属させたいと思う土地が、申請の対象になるのか、申請が受理された場合に承認されるのか。また承認された場合に必要となる負担金がいくらになるのか等、法務局へ事前相談されることをオススメします。

 

加来不動産(株) 井料 隆彦

みらいわブログ 2023年8月号

「ビッグモーター不正事件から感じること」

ビッグモーターが、預かったお客様の車両に故意に傷をつけるといった行為を行い、修理代金の保険金を水増し請求するという不正行為を行っていたことが発覚しました。総額は約38億円に上り、経営トップ会見で謝罪に追い込まれるという事態になりました。不正行為の大胆さにも耳を疑いましたが、これほど大規模な不正が世の中に知られずにいたことにも驚きます。

他の業界にも、不正とまでいかなくとも不自然な慣行というものが意外とあるのかもしれません。そんないびつな行為も日常的になれば疑問を抱くことが難しく、たまたまその場に居合わせた第三者の指摘で初めてその異常さに気付くということもあると思います。

もしかして身の回りにもないだろうか?とふと考えました。

すると私たち税理士は不正行為と全く縁がないどころか、毎年いくつかの税理士法違反事案が発生し、処分を受けていることを思い出しました。例えば、顧客の求めに応じて不正な経理処理を行なったり、税務申告を行うといったいくつかの事例が税理士会報に載っています。その中には不正の意識が薄いまま行ってしまったものもあるでしょう。

そういう不正を防ぐために、私たち税理士は税務署から実態調査等で監視を受け、毎年税理士法についての研修を必ず受講しなければなりません。

けれど今回のことでそれ以外にも大事にしなければいけないと感じたのは、お客様の声を大切にするということです。

ビッグモーターのお客様の中には自分の車の修理について、違和感を覚えた人も少なくなかったでしょう、その思いは修理の専門家だからとうやむやになってしまったのかもしれません。

私ども税理士のお客様に対しても、会計や税務のことで疑問に思われたことや、心配に感じたことを、今までそうしてきたからとか、法律でそう決まっているからと簡単に説明を終わらせず、お客様の視点で再検討する良い機会だと考えるようにしなければと、改めて感じました。

「みらいわ」は、みなさんが他の専門家では聞けないと感じているご質問やご相談を、心よりお待ちしております!!

 

 

兼田円税理士事務所

税理士 兼田 円

みらいわブログ 2023年7月号

「it’s sho-time」

毎日毎日、大谷くんがスゴイ!!すごすぎます。

 

皆様おつかれさまです。司法書士の高木です。

私は、仕事の合間に、世界を舞台に活躍している日本人のニュースや動画を眺めるのが好きで、仕事の切替や気分転換、ストレス発散にとても役立っています。

 

古くは野茂英雄、イチロー、中田英寿はもちろんのこと、少し前だとテニスの錦織くんにも一喜一憂しておりましたし、ゴルフの松山英樹のマスターズ優勝の瞬間やボクシングの井上尚弥が4団体統一世界チャンピオンになったときも大盛り上がりでした。

 

そして、今おそらく全世界で話題沸騰の大谷翔平くん、もうすごすぎませんか。

WBC優勝のときはもう何回あの映像を見たかわかりません。今季のレギュラーシーズンに入ってからも、ほぼ毎日「うお~っ」と私のテンションをあげてもらってます。

 

番外編としては、芸人のとにかく明るい安村がイギリスの人気テレビ番組で決勝進出を果たしたことも、個人的にはちょっぴり嬉しいニュースでした。

 

こんなとき、やっぱり自分に日本人の血が流れているから、日本人が世界で活躍するニュースを嬉しく感じたりするものなのかな~等と、その理由を考えてみたりすることもありますが、実際のところはよくわかりません。

 

司法書士の仕事は日々こつこつと細部まで目を配り、決して失敗は許されない仕事です。言ってみれば全打席バントしているような感じ?ですので、毎試合のようにホームランや三振をとりまくる大谷くんにちょっぴり憧れているのかもしれません。

 

そんなバント職人のような司法書士の私ですが、ご相談には臨機応変に対応しますので、お悩みを抱えている方がいらっしゃいましたら、ぜひお気軽にご相談ください。

 

たかき司法書士事務所

司法書士 高木 誠

みらいわブログ 2023年6月号

「ル・マン耐久レースの季節」

皆様こんにちは、社会保険労務士の林 穣です。今年は例年よりも早い梅雨入りとなり、ジメジメした季節がやってきました。ただ、私にとってはこの季節が一番楽しみな季節であります。 それは、フランスで開催される「ル・マン24時間耐久レース(以下ル・マンと呼びます)」があるからです。

私がル・マンに興味を持つようになったのは1995年のことです。95年は日産スカイラインGT-R(R33型)が参戦することになった年であり、イギリスのスーパーカーの「マクラーレンF1GTRで日本人ドライバーが参戦した年でもありました。当時のことは今でも覚えております。

1995年のレースはスタート時からずっとレインコンディションで非常に難しいレースだったと記憶しています。この時日本人で初めて表彰台の頂点に立ったのが、現在の国内レース界の重鎮である関谷正德さんです。

私にとって忘れられないル・マンの記憶は、1998年のレースです。この時は、初めて日本人ドライバーが日本のチームで表彰台に立った歴史的なレースだったからです。日産R390GT1で星野一義さん、鈴木亜久里さん、影山正彦さんのチームが3位に入りました。チェッカーフラッグを受ける時に他の日産のチームのマシンと一緒にゴールに入ってきたシーンは今でも目に焼き付いています。

ル・マンの魅力は何といってもレーシングコースと市街地コースが混在するところにあります。普段は一般道路の場所がレース期間中のみ封鎖されコースに変更されます。また、高速コースレイアウトなので、トップチームとなると平均速度200㎞/h以上で走行するためかなり迫力があります。コースには「ユノディエール」と呼ばれる約6㎞のストレート(実際には2か所に速度を落とすためのシケインが設置されています)、「ミュルザンヌ」に代表される有名なコーナーなどがあります。いつか現地で24時間ずっと観戦することが私の夢なのですが、なかなか実現するまでには至っていません。今後の人生の大きな目標にしていくつもりです。

もうすぐル・マンのレースが開催されます。今年はどんなドラマが待ち受けているのか、今から楽しみです。

社会保険労務士  林 穣