「猛暑」の思い出
こんにちは。不動産鑑定士の沖永です。
梅雨が明け、連日危険な猛暑が続いています。このところ最高気温は、当然のように36℃、37℃を記録しています。7月最終週には全国で40℃超えも複数現れるそうです。どうか皆さま、熱中症にご注意のうえお過ごしください。
私にとっての「猛暑」は小学3年生頃の記憶が強いのですが、それでも当時は32℃~33℃が「記録的な暑さ」だったと記憶しています。今から40年以上も前のことですが、記憶に残っているのは、長引く猛暑で渇水が続き数ヶ月も夜間の水道が「断水」となり、不便な生活を強いられたからでしょう。連日「節水」がうたわれ、「節水」シールが配られ、日中の水道利用は最低限にと厳命され、毎晩8時頃になると大型のポリバケツに水道水を溜めていた記憶があります。
当時は北九州市八幡西区の戸建住宅団地に住んでいましたが、自宅から2分ほど歩くと隣接する中間市の戸建住宅団地に入ります。そこでは庭木の散水や洗車で家々から気前よく水道水が放出され、市境の道一本隔ててこんなに違うものかと不思議な気持ちになりました。父親は、「中間市は遠賀川があるから水に困らん。北九州市は中間市と合併すればいい」と言っていました。
結局、中間市との合併は実現しませんでしたが、今では北九州市の水源は市外を含め10か所確保されています。特に遠方では宮若市(力丸ダム)や大分県(耶馬渓ダム)にも水源を持つなど、水事情は良好といえそうです。それどころか北九州市は市外の自治体に水道供給を行っています。宗像市・福津市・古賀市・新宮町には合計で1日最大2万㎥の水道供給を、また岡垣町、香春町にも供給しているそうです(以上、「北九州市上下水道局」ホームページより)。
先日の新聞に、福岡都市圏の人口増加が著しいとの記事がありました。特に福津市と新宮町の人口はこの10年間で15%以上増え、宗像市と古賀市も数%増加し、福岡市のベッドタウンとしての位置付けはますます強くなっています。
一方、北九州市の人口はこの10年間で6%以上減少し、全国の市町村でワースト2の減少数だそうです。人口動態のみに着目すると北九州市のネガティブな面が目に留まりますが、生活インフラとして水源確保は不可欠ですので、福岡都市圏では今後も人口増加にともなう水道需要の増大が予測されます。さらに温暖化による気温上昇が続くと渇水による水不足の恐れが懸念されます。そうなりますと北九州市の水源は将来的に大きな利点になるのではと思われます。
以 上
不動産鑑定士 沖永 裕章