みらいわブログ 2023年8月号

「ビッグモーター不正事件から感じること」

ビッグモーターが、預かったお客様の車両に故意に傷をつけるといった行為を行い、修理代金の保険金を水増し請求するという不正行為を行っていたことが発覚しました。総額は約38億円に上り、経営トップ会見で謝罪に追い込まれるという事態になりました。不正行為の大胆さにも耳を疑いましたが、これほど大規模な不正が世の中に知られずにいたことにも驚きます。

他の業界にも、不正とまでいかなくとも不自然な慣行というものが意外とあるのかもしれません。そんないびつな行為も日常的になれば疑問を抱くことが難しく、たまたまその場に居合わせた第三者の指摘で初めてその異常さに気付くということもあると思います。

もしかして身の回りにもないだろうか?とふと考えました。

すると私たち税理士は不正行為と全く縁がないどころか、毎年いくつかの税理士法違反事案が発生し、処分を受けていることを思い出しました。例えば、顧客の求めに応じて不正な経理処理を行なったり、税務申告を行うといったいくつかの事例が税理士会報に載っています。その中には不正の意識が薄いまま行ってしまったものもあるでしょう。

そういう不正を防ぐために、私たち税理士は税務署から実態調査等で監視を受け、毎年税理士法についての研修を必ず受講しなければなりません。

けれど今回のことでそれ以外にも大事にしなければいけないと感じたのは、お客様の声を大切にするということです。

ビッグモーターのお客様の中には自分の車の修理について、違和感を覚えた人も少なくなかったでしょう、その思いは修理の専門家だからとうやむやになってしまったのかもしれません。

私ども税理士のお客様に対しても、会計や税務のことで疑問に思われたことや、心配に感じたことを、今までそうしてきたからとか、法律でそう決まっているからと簡単に説明を終わらせず、お客様の視点で再検討する良い機会だと考えるようにしなければと、改めて感じました。

「みらいわ」は、みなさんが他の専門家では聞けないと感じているご質問やご相談を、心よりお待ちしております!!

 

 

兼田円税理士事務所

税理士 兼田 円